Healthcare Venture KNOT 2023、コミュニケーション会場の「インパクト投資」をテーマとした屋台の後半戦では、インパクト起業家のお2人をゲストに迎え、インパクトスタートアップとして事業を展開するうえでのやりがい、おもしろさ、大変さなどを伺いました。
【インパクト屋台トーク2】インパクト起業家トークセッション
Healthcare Venture KNOT 2023
開催日時:11月18日 15:45~16:30
会場:コングレスクエア日本橋
主催:キャピタルメディカ・ベンチャーズ、おうちの診療所 presented by 東京ウェルネスインパクトファンド
【登壇者】
・大久保 亮|株式会社Rehab for JAPAN代表取締役社長
・寺嶋 一裕|株式会社CaTe 代表取締役/藤田医科大学循環器内科 助教
【司会】後町陽子|株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ マネジャー
登壇者紹介
◆ 大久保 亮|株式会社Rehab for JAPAN代表取締役社長
1987年11月18日長崎県壱岐市生まれ。 リハビリ養成校を卒業後、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。 要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現 を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。「リハプラン」を開発。法政大学大学院政策学修士。
◆ 寺嶋 一裕|株式会社CaTe 代表取締役/藤田医科大学循環器内科 助教
2011年名古屋大学医学部卒、循環器専門医・心臓リハビリ指導士。榊原記念病院等で循環器内科医として研鑽を重ね、現在も日本一の病床数を有する藤田医科大学病院のCCUで心血管患者の治療を行う。 株式会社CaTeでは運動療法と行動変容の研究を主導し、心臓リハビリ分野などのプログラム医療機器の研究開発を進めている。
アウトカムを出すためのプロダクトは「継続利用してもらうため工夫」がキモ
インパクト創出を目指すスタートアップが社会課題解決のためにどんなに素晴らしいプロダクトを開発しても、利用者が使い続けなければ社会課題は解決されません。「良いプロダクトを作っているはずなのに、現場で使ってくれない」「現場は求めているのに、経営者の理解が得られず導入されない」などのチャレンジが多くみられる医療介護業界で、ゲスト2名はどのような工夫をしているのでしょうか。
大久保氏は「誰の何のためのプロダクトなのかを定義づけることが重要」といいます。経営者と管理者、従業員とで考え方に乖離があること、介護施設は働いている職種もバラバラであることが実際に多いです。その中で必要とされるためには、プロダクトの目的を明確にして、目的達成のためにKPIを追うことが重要です。
チーム作りのポイントは?
起業家がどんなに熱い想いを持っていたとしても、1人ではアウトカムを出すことはできません。インパクトを生み出すためのチーム作りをするうえで、重要なことは何か、ゲスト2名はどのように考えているのでしょうか。
寺嶋氏は自身の体験から、採用において「理念に共感している人」が重要であると考えます。理念に共感していると、事業が苦しい状態でも「なぜ今この事業をやっているのか」が明確となり、ともに乗り越えられるためです。一方、大久保氏は「チームの中に誰を入れるか」が大切だといいます。たとえば投資家もチームの一員であり、誰にリード投資家となってもらうのか、慎重に検討する必要があると語りました。
まとめ
会場では、その他に「採用で失敗したことは何か」や「雇用した後に能力不足が判明したらどうするのか」など、起業を考えている方や、すでに起業して壁にぶつかっている方からの質問が飛び交いました。
司会の後町は「起業家からリアルな回答がたくさん聞けたセッションで、多くのヒントがあったはずです」と会場の参加者に声をかけ、セッションを締めくくりました。
本記事では「Healthcare Venture Knot 2023」のインパクト屋台トーク「インパクト起業家トークセッション」の様子をお伝えしました。参加者から質問が活発に投げかけられ、普段なかなか聞くことのできないゲストのざっくばらんなトークが引き出された空間となりました。これからも社会課題の解決に向け、みなさんとともに取り組んでいきたいと思います。
イベントにご参加いただきました皆様、ありがとうございました。