【第5回 Knot Program】ワークするマーケティングとインパクト投資家を魅了するピッチの要点を確認!

  1. Knot program

2023年9月19日(火)、実践型のインパクト起業家育成プログラム「Knot program(ノットプログラム)」の第5回定例会が開催されました。本田克徳さん(株式会社ユカリア デジタル事業本部デバイス事業部 ユニット長)、青木武士さん(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表取締役)の2名を講師に迎え、5組の起業家チームは、インパクトスタートアップのためのマーケティングやピッチブックの作り方について学びを深めました。この記事では、第5回定例会での課題発表や講義の様子をお伝えします。


【イベント概要】

インパクト起業家育成プログラム「Knot Program」第5回定例会

主催:株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ、おうちの診療所 Presented by 東京ウェルネスインパクトファンド

日程2023年9月19日(火)19:00〜20:30
開催場所オンライン
内容課題発表:テーマ「ヘルスケア業界のマーケティング」
講義:テーマ「インパクトスタートアップのピッチブックの作り方」
参加者<起業家> ※敬称略、順不同
1) 深澤裕之(Nurse and Craft合同会社 代表社員)
2) 叶卓史(株式会社norths CEO)
3) 川﨑淳子(株式会社 flagMe COO)
4) 近藤奈央
5) 田中圭(株式会社セラピア 代表取締役)

<講師>
本田克徳(ユカリア デジタル事業本部デバイス事業部 ユニット長)
青木武士(キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表取締役)

<メンター / スタッフ>
青木武士(キャピタルメディカ・ベンチャーズ) 
後町陽子(キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
河村由実子(キャピタルメディカ・ベンチャーズ) 
横田達之(おうちの診療所)
和田誠一郎(マネックスベンチャーズ)


【講師紹介】

本田克徳氏(ユカリア デジタル事業本部デバイス事業部ユニット長

<略歴>
・ソフトバンク株式会社(コールセンターの戦略設計と業務プロセス改善)
・株式会社リヴァンプ(主にリテールセクターの経営改革、CRM・販促マーケティング支援)
・株式会社エス・エム・エス(介護事業者向け事業のマーケティング責任者)
・オイシックス・ラ・大地株式会社(経営企画責任者・PMI・上場市場指定替え)
ほか

青木武士氏(キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表取締役

造船会社でバイオマス発電事業等に携わった後、ソフトウェア開発会社を経て、(株)エス・エム・エスにて事業開発に携わり、M&Aやインキュベーションプログラムの運営を行う。また、訪問看護ステーションの設立・運営など医療・介護現場のオペレーション経験も有する。ヘルスケア領域に注力したVCファンドを運営する株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズを立ち上げ、現在はその代表としてインパクト投資を実践している。

【タイムライン】

19:00〜19:05    イントロ / 講師紹介
19:05〜19:55   課題発表+質疑応答「ヘルスケア業界のマーケティング」
         講師:本田克徳氏
19:55〜20:20    講義「インパクトスタートアップのピッチブックの作り方」
         講師:青木武士氏
20:15〜20:30    質疑応答・クロージング


【課題発表】

定例会の前半は、5組の起業家チームによる課題発表からスタートしました。以下の課題は、第4回(8月8日)の講義終了後に講師の本田さんから出題されたものです。

課題:

  1. 自社プロダクトの顧客(マーケット)をセグメント分解してください。
  2. 自社プロダクトを拡販するにあたり、有効アカウント(見込顧客)を獲得するためのマーケティング施策を考えてください(最低5つ)。特に、「顧客が抱える課題」と「その人たちが興味を引くメッセージ)」を含めること。
  3. 考えた施策について、以下の2つの要素を説明してください。
     ・Market(顧客セグメント)に対して、なぜ有効だと思うのか
     ・Media(媒体)の観点で、なぜ有効だと思うのか
  4. 2で考えた施策の初期仮説(顧客の課題とその人たちの興味を引くメッセージ)を、実際のターゲット顧客にインタビューし初期仮説をブラッシュアップしてください。(10人以上)
    ・特に、初期仮説では、顧客の課題マインドシェアは○○だと考えていたが、実際にインタビューしてみたら▲▲だった。というようなファインディングスを整理してください。

今回は課題に取り組む期間が6週間あったため、5組の起業家チームは、現場でのインタビューを含む実践的な課題に取り組みました。発表された成果物は、一生懸命悩みながら実行されたものばかりでした。

3分間の発表の後、本田さんからコメントがありました。インタビューではプロダクトが解決する課題があるのかを確認すること、マーケットの切り取り方をより細かくすること、類似サービスがリーチできていないセグメントを捉える重要性などが丁寧に伝えられました。

【講義:インパクトスタートアップのピッチブックの作り方】

定例会の後半は講義パートです。講師の青木武士さんは、ヘルスケアに特化したベンチャーキャピタルであるキャピタルメディカ・ベンチャーズの代表として、インパクト投資を実践しています。今回は、インパクトスタートアップがピッチブックに盛り込むべき18の要素についてお話いただきました。


以下は、インパクト投資家が投資を検討する際に見たい18の要素です。

  1. 課題
  2. 原体験
  3. 課題の大きさ
  4. Theory of Problem
  5. 解決方法(プロダクト)
  6. アウトカム(価値提供)
  7. マネタイズ
  8. トラクション
  9. なぜ今なのか?
  10. あなたの強みは?
  11. 競合結異性
  12. Theory of change
  13. ロジックモデル・KPI・インパクト指標
  14. 事業数値計画
  15. インパクトの5側面評価と9risk
  16. 必要資金・用途・達成事項
  17. チームメンバー
  18. ビジョン・ミッション

18の要素について、それぞれ丁寧に解説がありました。5名の起業家チームは、第1回の合宿ですでにセオリーオフチェンジとロジックモデルを作成していますが、最終成果発表会に向けて、その内容をよりブラッシュアップする必要があります。講義では、18の要素に加えて、ピッチ資料のデザインに関するポイントも伝えられました。

最後に、青木さんから次回までの課題が出題され、講義が締めくくられました。

◆ 次回までの課題
18個の要素を含むプレゼン資料を作成し、インパクト投資家を自分の事業のファンにさせ、投資をしたいと思わせるようなプレゼンテーションを7分間で行ってください。


【まとめ】

今回の定例会では、ワークするマーケティングをマスターすることを目的に、それぞれの事業のマーケティングについて発表を行いました。また、インパクトスタートアップのピッブックの作り方に関する講義を通して、インパクト投資家が見たい18の要素を確認しました。次回の第5回定例会までの約1ヶ月間、5組の起業家チームは事業のセオリーオブチェンジとロジックモデルを整理し、インパクト投資家が魅力的と思う資料作りと発表準備に取り組みます。

11月18日の最終成果発表会までに、どのように磨き上げられるか楽しみですね。メンターや運営メンバーも全力でサポートしていきます!


プログラムの様子は、こちらのサイト内で適宜配信してまいります。また、キャピタルメディカ・ベンチャーズのTwitterや、SHIPのTwitterでもプログラムの様子は配信していきますので合わせて御覧ください。