今、ヘルスケア業界でWeb3.0が熱い!基礎知識と実例を紹介します。

  1. Knot program

皆さんはWeb3.0についてご存知でしょうか。近年、よく耳にするようになった「メタバース」や「NFT」といえば、何となくご存知の方もいらっしゃるかと思います。実は今、このWeb3.0がヘルスケア業界で大注目されており、いち早くその技術を取り入れれば、業界で一目置かれる存在になれるかもしれません。

今回は、ヘルスケアに特化したWeb3.0を活用したコミュニティ「Medical DAO」を運営している木村遥さんを講師にお招きし、Web3.0の基礎知識について教えていただきました。Web3.0を取り入れるとヘルスケア業界にどのようなメリットがあるのか!?ご紹介いたします。

講師の木村遥さん(Medical DAO)

Web3.0とは?

Web3.0とは自律分散型ウェブシステムを指し、データを個人が管理する仕組みのことをいいます。Web3.0の特徴は、何といっても「中央の管理者がいない」という点。現在主流であるWeb1.0やWeb2.0では、中央集約的な権限が大手検索エンジン(Google、Yahoo!)・ソーシャルメディア(SNS)などのプラットフォーム上に存在し、コンテンツを管理している状態です。


それし対し、Web3.0はブロックチェーン技術を用いて個人がデータ管理できるため、セキュリティー・プライバシーの面で大きなメリットが生まれるのです。詳しくは以下のような点が挙げられます。

セキュリティ
時系列に則った明確なルールのもと情報を管理するため、データを改ざんされない。

プライバシー
国や政府、大企業が管理していた個人情報を自分で管理できる。


Web3.0の技術基盤「ブロックチェーン」とは?

ここで、Web3.0の技術基盤であるブロックチェーンについても説明しましょう。ブロックチェーンとは、「暗号技術を用いて取引履歴を1本の鎖のようにつなげて記録する」ことを意味し、情報が時系列で管理され、改ざん不可能なデータとして格納されるシステムです。

ブロックチェーンには、大きく分けて以下の3つの特徴があります。

追跡可能性
データ毎に時系列に沿ってタイムスタンプが押されるため、過去に遡って情報を確認できる。

不変性
数学的に書き換えができないシステムで、改ざんの恐れがない。

相互運用性
異なるシステム・サービス同士を接続しても、同じ形式で共有・運用できる。

さらに、ブロックチェーンには第3者が介入せず、透明度の高い契約が自動的に実行される「スマートコントラクト」というプログラムが保存されています。不特定多数の参加者がいたとしても、不正な取引を排除した合意形成を得られる「コンセンサスアルゴリズム」により、効率的かつ公正な取引を可能にする仕組みが構築されています。

なぜヘルスケア業界でWeb3.0が熱いのか

Web3.0が実用され、個人での情報管理が可能となると、情報を守るだけでなく正確で公正な情報を入手できることが分かりました。では、なぜWeb3.0がヘルスケア業界で注目されているのか実例を用いて説明していきましょう。

医療資格などのデータ管理・共有が可能

個人の了承のもと、Web3.0の技術を用いて医療従事者の資格や過去の実績をオープンにしたことで、患者がそのデータの閲覧が可能となった実例があります。このシステムを導入すれば、患者は医療従事者の専門性をよく理解し、どの医療機関を診察するのか自分で選択しやすくなります。

医療記録を患者がコントロールできる

ブロックチェーン技術を用いて、医療記録を患者が管理できる仕組みが進んでいます。例えば、他の医療機関で診察を受ける際、患者自身が過去の診療データを開示できれば、スムーズで確かな情報共有が可能となり、適切な治療を受ける足がかりとなるでしょう。

臨床試験データの信頼性を担保するシステムの構築

これまで臨床データの照合には、膨大な時間と人手が必要でした。しかし、ブロックチェーン技術を用いたデータ管理システムが導入されると、臨床試験データの信頼性が担保され、手間だけでなくコストカットも実現可能となります。

今後Web3.0はヘルスケア業界でどのように役立つのか

最後に今後Web3.0がヘルスケア業界でどのように役立つのか解説しましょう。最も注目すべきは、医療データが個人管理できることで「患者主導型医療」が実現できることです。

これは、健康リテラシーの向上につながり、健康寿命の延長に寄与することでしょう。

また、患者さん自身が過去の検査データを管理すれば、不要な検査をパスする選択ができ、医療費を必要最低限に抑えられます。

さらに、希少疾患を有している方が臨床研究に協力しデータを開示することで、トークンを得られる未来が想定されています。悲観的な病気のイメージが新たな観点を持つ可能性があるのです。

今年のHealthcare Venture Knotでは「Web3.0×ヘルスケア」の最先端の講義が聞けます

今回、Web3.0の技術を用いたコミュニティ「Medical DAO」を運営している木村遥さんにご講話いただきました。Web3.0の技術が、ヘルスケア業界にもたらす明るい未来を想像すると、胸が高鳴りますね。

そして、この記事を読んで、「もっとWeb3.0について知りたい」と思った方に朗報です!

今年、2022年11月19日(土)に開催されるHealthcare Venture Knotでは、再び木村さんにご登壇いただき、「Web3.0×ヘルスケア」をテーマに他3名の方とトークセッションをしていただきます。


会場・オンライン参加どちらも可能ですので、ぜひこの貴重な機会に知見を広げてみませんか?今後、Web3.0がヘルスケア業界で社会実装されるにはどうすればいいのか、一緒に考えましょう!


イベントのお申し込みは、こちらのPeatixページからお願いいたします。

皆様のご参加、お待ちしております!