境界線を越えた先で、新たな未来が結ばれる。Healthcare Venture KNOT 2025 イベントレポート【医療機関・ヘルスケアスタートアップ出展・交流会場編】 

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境界線を越えた先で、新たな未来が結ばれる。Healthcare Venture KNOT 2025 イベントレポート【医療機関・ヘルスケアスタートアップ出展・交流会場編】


メインホールでの熱いセッションが生んだエネルギーが、医療機関・ヘルスケアスタートアップ出展会場とコミュニケーション会場で新たな物語を紡ぎ出していました。

2025年11月15日、コングレスクエア日本橋で開催された「Healthcare Venture KNOT 2025」。今年のテーマ「未来につながる Healthcare Venture KNOT」を最も色濃く体現していたのが、出展会場とコミュニケーション会場です。

本記事では、メインホールに勝るとも劣らない熱気に包まれたポスター展示と、活発な交流が生まれたコミュニケーション会場の様子をお届けします。


【イベント概要】

Healthcare Venture KNOTは、医療介護従事者、起業家、投資家、企業、学生など、ヘルスケアの未来を共創する仲間たちが集いつながりを生み出すイベントです。

今年のテーマは「未来につなげる Healthcare Venture KNOT」。既存の組織や職種の境界線を越えた先にこそ、複雑な課題を解く鍵がある。この場に集う誰もが、未来を創造する主役です。


【アイデアが交差する医療機関・ヘルスケアスタートアップ出展会場

開場直後から、多くの参加者で絶えず賑わいを見せていたのが、出展会場に設けられた展示エリアでした。未来のヘルスケアを創るスタートアップ6社と、先進的な取り組みを実践する医療機関4団体、合計10のブースが立ち並び、それぞれのビジョンや最新の取り組みを紹介しました。

◆出展団体・企業紹介

<スタートアップ>
・株式会社Ashirase:
スマートフォン一つで複雑な院内も迷わず移動できる屋内ナビサービス「Indoor Flow」を展示。誰もが自由に移動できる院内環境を提案。

・AMI株式会社:
「聴診DX」を掲げる「超聴診器」を紹介。音響工学とAI技術で、質の高い医療をどこへでも届ける未来像を示す。

・株式会社mediVR:
VR技術を活用したリハビリ用医療機器「mediVRカグラ」の体験デモを実施。子どもから高齢者まで座ったまま楽しく取り組める新しいリハビリテーションを紹介。

・株式会社想ひ人:
「老いや病気が怖くない社会」を目指し、煩雑な介護手続きを代行するサービス「オネガイ」で介護離職問題の解決を提案。

・株式会社aba:
においをAIで検知し、最適なおむつ交換タイミングを知らせる排泄検知センサー「Helppad」で、介護の負担軽減と尊厳維持の両立を支援。

・株式会社ジャパンヘルスケア:
「100歳まで歩ける社会」をミッションに、数分で足の状態がわかる「足健診」体験を提供。見過ごされがちな足の問題への早期対策を訴求。


<医療機関>
・一般財団法人ひふみ会 まちだ丘の上病院:
里山の療養病院と古民家コミュニティスペースを拠点に、医療介護福祉の境界を越えた地域包括ケアの先進モデルを提示。

・医療法人社団綾和会 掛川東病院:
「地球上でもっとも挑戦を愛する病院」を掲げ、院内産ひまわりのクラフトビールや胸骨圧迫VR体験など、地域を巻き込むユニークな活動を紹介。

・医療法人社団焔 おうちにかえろう。病院:
「”人にこだわる”病院経営」をテーマに、職種間の垣根を取り払うフラットな組織文化と対話重視の意思決定支援を発信。

・医療法人社団 おうちの診療所:
24時間365日対応の在宅医療を支える、DX活用と独自の質指標「QI-8」による持続可能なチーム医療の実践例を共有。


各ブースではVR体験やサービスデモが参加者の足を止め、出展者と参加者の間では「その技術を私たちの現場でどう活かせるか」「その取り組みの背景にある想いはなにか」といった、未来の連携につながる質疑応答が活発に交わされていました。

あちこちで名刺が交換され、新たな協業先を探す企業の担当者や投資家も含め、参加者たちが熱心に語り合う姿は、ヘルスケアの未来を創る人々のアイデアが交差する「結び目」そのものでした。


【新たな化学反応が生まれる共創のハブ──コミュニケーション会場】

ホワイエの奥に広がるコミュニケーション会場では、障害福祉事業所によるフード&ドリンク屋台が並び、よりリラックスした雰囲気の中で思いがけない出会いと語り合いが生まれていました。

<出店屋台>
・方南ローカルグッドブリュワーズ:
障がいのある醸造士たちが専門技術を駆使して造り上げた、香り豊かな本格クラフトビール。

・ジョブ・サポート・プラザちよだ:
千代田区の就労支援施設から届いた、一つひとつ丁寧に作られた温かみのある焼菓子。

・株式会社LacuS:
「食べたいけど食べられない」人のために開発された、美味しさと栄養を両立した完全栄養食アイス。

・とうふ屋らるご:
宮城県産大豆を100%使用。心の病を持つ人々が手がける、手造りとうふやおからを使ったヘルシーなお菓子。

・ONENOUEN:
糖度8〜13を誇る甘いフルーツトマトを贅沢に使用した、濃厚な無添加ジュース。


こうしたソーシャルグッドな屋台は、参加者同士の対話を自然と弾ませるきっかけとなっていました。

ドリンクを片手に、会場ではテーマ別の「スモールトークセッション」やフリータイムを通じて新たなつながりが広がっていました。たとえば、13時過ぎから始まったセッションのテーマの一つは「医療従事者の新しいキャリアパス」。起業した医師を囲んで、「資金調達の準備でやったこと」「投資家との相性について」など、リアルな質問が飛び交っていました。


フリータイムでは、さらに自由な出会いが。「以前、起業前に仲間探しで参加して、今回は起業後の次なるフェーズの情報収集に来ました」と語る参加者や、「たまたま隣になって話した人が同じ地域で活動している起業家さんで、さっそく今度見学させてもらうことになった」と嬉しそうに話す姿も。このイベントが、参加者にとって継続的な学びと成長の場となっていることがうかがえました。


【参加者の声】

・ヘルスケアスタートアップ起業家1(出展会場にて):
普段なかなか出会えない現場の看護師さんから、開発中のアプリについて「これはわかりにくい・現場では使いにくい」「こういう機能があれば絶対使う」という具体的なフィードバックをもらえました。今日一番の収穫です。

・ヘルスケアスタートアップ起業家2(出展会場にて):
医療機関の方々がブースに来てくださり、プロダクトの説明をさせていただいたところ、「デモをしてほしい」とおっしゃってくれた方が複数名おり、訪問に向けて調整することになりました。

・総合病院に勤務する事務長(コミュニケーション会場にて):
自分の病院が抱える課題を話したら、「その領域なら面白い企業の取り組みを知っているよ」と紹介してもらえました。一人で悩まずに、ここに来てみて本当に良かったです。

・医療系大学院生(コミュニケーション会場にて):
みなさんの熱量がすごくて圧倒されました。大学に通うだけでは学べない、リアルなヘルスケアの未来像に触れることができて、自分の進むべき道が見えてきた気がします。


【無数の「結び目」が紡ぐ、これから】

Healthcare Venture KNOTは、参加者一人ひとりが持つ情熱や課題という“点”を、対話を通じて“線”で結び、新たな価値創造という”面”を生み出す場所──ただの展示会や交流会ではなく、未来を共創するプラットフォームです。

ホワイエで未来の種を見つけ、コミュニケーション会場で共感する仲間と出会う。ここで生まれた無数の「結び目」は、きっと日本のヘルスケアをより良く、より面白く変えていくことでしょう。

この熱気の輪に、次はあなたも加わってみませんか。

Healthcare Venture KNOT 公式HP:https://healthcareventureknot.jp/

Text:白石 弓夏
Photo:丹下 恵実