効果的なマーケティングとインパクト投資家を魅了するピッチの要点【第5回 Knot Program2024 】
2024年9月17日、実践型インパクト起業家育成プログラム「Knot Program(ノットプログラム)」の第5回定例会が開催されました。今回の講師は、株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズの本田克徳さんと、青木武士さんです。6チーム・10名の起業家たちは、事業構築に欠かせない「ヘルスケア業界のマーケティング」と最終成果発表会に向けた「インパクト投資家向けのピッチの要点」について学びました。本記事では、第5回定例会での課題発表や講義の様子をお伝えします。
【イベント概要】
実践型起業家育成プログラム「Knot Program2024」第5回定例会
主催:株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ、おうちの診療所 Presented by 東京ウェルネスインパクトファンド
日程 | 2024年9月17日(火) |
開催場所 | オンラインZoom |
内容 | 課題発表:「ヘルスケア業界のマーケティング」 講義:「インパクト投資家向けのピッチの要点」 |
参加者 | <起業家> ※敬称略、順不同 1) 高山 耕輔(株式会社EightLab ) 2) 鈴木 円香(株式会社COMARU) 3) 伴 大輔(株式会社TherapEase) 4) 酒井 和也(Reinvent health株式会社) 5) 鶴田 桂子(株式会社BANSO-CO) 6) 土井 理美(株式会社BANSO-CO) 7) 伊角 彩(株式会社BANSO-CO) 8) 大平 智祉緒(株式会社RingsCare) 9) 岡田 里香(株式会社RingsCare) 10) 上野 榛華(株式会社RingsCare) <講師> 本田 克徳(キャピタルメディカ・ベンチャーズ) 青木 武士(キャピタルメディカ・ベンチャーズ) <メンター / スタッフ> 後町 陽子(キャピタルメディカ・ベンチャーズ) 河村 由実子(キャピタルメディカ・ベンチャーズ) 石井 洋介(おうちの診療所中野 院長) 甲 浩子(おうちの診療所) 横田 達之(おうちの診療所) 宮﨑 海里(おうちの診療所) 和田誠一郎(マネックスベンチャーズ) 西河 佑夏(マネックスベンチャーズ) |
【講師紹介】
本田 克徳氏(キャピタルメディカ・ベンチャーズ キャピタリスト)
企業再生コンサルティングファームにて複数の小売企業のマーケティング領域での戦略立案と実行支援に従事した後、事業会社での介護事業者向けSasS事業、病院向けIoTデバイス事業などを担当。上場企業にて経営企画責任者としてM&A後のPMI、KPIマネジメントの体制整備、上場市場変更をリードした経験も有する。現職では投資・投資先支援等を担当。
青木 武士氏(キャピタルメディカ・ベンチャーズ キャピタリスト)
関西学院大学経済学部、英国国立ウェールズ大学大学院 MBA
日立造船でバイオマス発電事業等に携わった後、(株)エス・エム・エスにてM&Aやヘルスケアベンチャー投資の責任者として数多くの投資やヘルスケアインキュベーションプログラムの運営を行う。また、訪問看護ステーションの設立・運営など医療・介護現場のオペレーション経験も有する。キャピタルメディカ・ベンチャーズを設立し、代表として運営に携わる。
【タイムスケジュール】
19:00〜19:05 イントロ
19:05〜19:50 課題発表「ヘルスケア業界のマーケティング」講師:本田克徳氏
19:50〜20:20 講義「インパクト投資家向けのピッチの要点」講師:青木武士氏
20:20〜20:30 質疑応答・クロージング
課題発表「ヘルスケア業界のマーケティング」
講師:本田克徳氏(キャピタルメディカ・ベンチャーズ キャピタリスト)
8月に開催された第4回定例会の講義では、マーケティングを「顧客を獲得するための投資を最適化する活動」と定義し、解説されました。今回はその講義を踏まえ、本田さんから出題された以下の課題に対する発表が行われました。
<課題>
Q. マーケティング活動を設計してみよう!
1.自社プロダクトの顧客(マーケット)を複数のセグメントに分解してください。 (どういう軸で分類していくのがよいか考える)
2.分解したセグメントにおいて、有効アカウント(見込顧客)を獲得する上での優先度の高いセグメントを決めて、その判断理由を説明してください。
3.優先セグメントに対して、どのようなMediaを用いてコミュニケーションしていくか施策案を考えてください。(最低2つ以上)(その施策案が有効だと思う理由を説明してください)
起業家たちは3分間のプレゼンテーションを行い、本田さんからフィードバックを受けました。
本田さんからは、「セグメンテーションやターゲティングは的確か」や「ターゲットの行動パターンの違いは何か」「課題感は何か」といった視点からコメントがありました。起業家からは「仮説を検証し、ターゲットをより明確にしたい」という前向きなコメントが寄せられました。
講義「インパクト投資家向けのピッチの要点」
講師:青木武士氏(キャピタルメディカ・ベンチャーズ キャピタリスト)
ヘルスケアに特化したベンチャーキャピタルであるキャピタルメディカ・ベンチャーズの代表として、インパクト投資を実践している青木さんからは、「インパクトスタートアップがピッチブックに盛り込むべき18の要素」をテーマにお話いただきました。
以下は、インパクト投資家が投資を検討する際に見たい18の要素です。
- 課題
- 原体験
- 課題の大きさ
- Theory of Problem
- 解決方法(プロダクト)
- アウトカム(価値提供)
- マネタイズ
- トラクション
- なぜ今なのか?
- あなたの強みは?
- 競合結異性
- Theory of Change
- ロジックモデル・KPI・インパクト指標
- 事業数値計画
- インパクトの5側面評価と9risk
- 必要資金・用途・達成事項
- チームメンバー
- ビジョン・ミッション
講義では、18の要素について一つひとつ丁寧に解説がありました。さらに、効果的なプレゼン資料のデザインについても触れられ、起業家たちにとって実践的な学びの場となりました。
起業家たちは、これまで合宿や講義を通じて学んだセオリーオフチェンジやロジックモデルの作成をベースに、最終成果発表会に向けて内容をさらにブラッシュアップしていく必要があります。
起業家からは、「今まで資金調達やビジネスピッチでプレゼン資料は作ってきたが、インパクトスタートアップとしての作り込みが出来ていなかった。これまでの講義を通して、自社の強みや社会的インパクトをどう作るかの深堀が出来てきたので、それを生かしていきたい」といったコメントが寄せられました。
【まとめ】
今回の定例会では、マーケティングの設計から、インパクト投資家向けのピッチ要点まで、幅広く学びが得られる内容となりました。
次回の第6回定例会(事前発表会)までの1ヵ月間、6チーム・10名の起業家たちは、発表に向けた資料作りと発表練習を進めていきます。11月の最終成果発表会までに、どのような事業に磨き上げられるか楽しみですね。メンターや運営メンバーも全力でサポートしていきます!
プログラムの様子は、こちらのサイト内で適宜配信してまいります。また、キャピタルメディカ・ベンチャーズのX(旧Twitter)や、おうちの診療所のX(旧Twitter)でもプログラムの様子は配信していきますので合わせて御覧ください。